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2022.03.02

がん発覚6日目②~家族会議~子供にどう伝える?

父と母の雰囲気から何か感じているかも知れないけれど、

がんが発覚してから子供たちには何も話していない。

明日から5日ほど病院に入院。

出張でも2泊3日くらいしか家を空けたことがない。

化学療法が始まれば、家で横になっている時間もあるだろう。

さて、どうやって子どもたちに現状を伝えたら良いのか???

奥さんはすでにいろいろ調べており(すごい!)、

子供には「3つのC」をポイントにして伝える方法があることを教えてもらう。 

  • それはCancer(がん)という病気。
  • それがCatchy(伝染)しない。
  • そのCaused(原因)は、あなたや私がこれまでしてきたことも、
    しなかったことも、まったく関係ない。

第1回家族会議。

議題は「父ちゃんはがん」

子どもたちを集めて、食卓に座らせる。

我が家で初めての家族会議となるため、子どもたちも何か感じているようす。

どう切り出して良いかわからず、「3つのC」にして伝える。

  • 父ちゃんはがんになってしまった。
  • おばあちゃんがなった病気と同じ。
  • それで明日から治療のために入院となる。
  • がんはお前たちにはうつる病気ではないから安心してほしい。
  • がんになったのは誰のせいでもなく、たまたまなっただけ。誰が悪いわけでもない。
  • たぶん毎日お酒を飲んでいたのも関係ない(なくはない?)。
  • なかなかやっかいな病気で、治療も大変なので何度も病院に行き、家でも寝込むことがあるかもしれない。
  • 父ちゃんが入院している間や動けないときがあると、かぁかの負担が増えるから、
    みんなで協力して、かぁかが困らないように、自分のことは自分でしたり、お手伝いして助けて欲しい。

はっきり、どう言ったか覚えていないけど、このような内容を伝えたと思う。

娘の運動会があり父が行く予定になっており、楽しみにしてくれていた。

いけなくなったことを伝えると泣き出してしまい。これはつらかった。

私の座右の銘ではないが、小学校のときから常に頭に残っている言葉がある。

「つらいときこそ笑え」「逆境を楽しめ」

何かの漫画の台詞だったと思う。学校生活、部活の試合、日常生活でなにかしらピンチ、「これはやばい!」となったときに、いつもこの言葉が浮かんでくる。

がんが見つかったことで明らかに生活が一変。

初めて受ける検査や治療、今までと違う日常生活。

先の見えない不安。

「いろいろ大変になると思うけど、父ちゃんはこの状況を楽しんでやろうと思う。」

少しでも自分は大丈夫だと安心させたい思いから、そんなことを最後に伝えて家族会議は終了。

つづく

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