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2023.08.16

がん発覚52週目~化学療法23クール・味覚障害と食欲低下。おいしい物が食べたい!~

味覚障害は化学療法を始めた頃からありましたが、

抗がん剤の変更もあってか、4ヵ月ほど前から強くなっている印象です。
味覚障害に加えて、口内炎の影響もあり食欲低下が起こり、半年前から10kgほど体重が落ちてしまいました。

「味覚障害」といっても、どんな感じなの?
と思われる方も多いかと思いますので、今回は私の味覚障害について紹介したいと思います。

抗がん剤を始めて半年ほどは、塩味と甘味、あと“何か”が抜けている感じでした。
例えばファストフードのフライドポテトなど、いつも食べている定番の物を食べても、

「なんかちがう…」「それなりに食べられるけど、なんか変」
なので、この時期は口内炎もなく、比較的濃い味の物がわかりやすく、スナック菓子などを好んで食べていました。
味がおかしいなりにもおいしさを感じられるものも多く、食欲もあり、半年で10kg太るほどでした。

抗がん剤が変わり、口内炎で悩まされます。
1つ、2つの口内炎でなく、口の中全体がただれるように瘢痕ができ、舌の先はしびれ、舌自体にぽちぽちができて、2週間では治りきらないままに次の化学療法となりました。

そのせいか、舌が異常に敏感となり、醤油や塩などがかなりしみるようになりました。
刺激の強いわさびや香辛料などは悶絶するほどこたえます。
刺身を食べると、醤油はしみるし、味は変やし、全くおいしく感じません。
今まで大好きだった、学生が好むような濃いたれのかかったようなものは、一切食べられなくなってしまいました。普通に食べていた食堂のカレーもかなり辛く感じ、

一口ごとに水で流して、なんとか食べられる程度です。
お肉もパサパサして何の味かもわからず、唐揚げやカツなども食べられなくなりました。

においや見た感じはおいしそうと思う食べ物がたくさんあるのですが、

ほとんどのものは食べると期待していた味や食感ではなくなっており、

がっかりしてしまうのがわかっているので手が出せません。

基本、味は変わっており、食べにくい物の方が多いのですが、中にはあまり味が変わらず食べやすいものもあったりします。
例えば、コーンポタージュ、茶碗蒸し、プリン、牛乳などです。
舌がおかしくなったせいか、口当たりの良い物は相性がよく、味もまずまず。
乳製品やたまご、出汁の味は比較的変わっていないように思います。

あと、元々ラーメンが大好きで1人でも食べ歩いていたのですが、

ラーメンはスープの味は比較的よく分かり、おいしく感じられます。
しかし、豚骨ラーメンのような細麺はパサパサするだけで味がしません。
たまご麺は、味は同じでないけど食べられるレベル。
というわけで、行き着いたのがつけ麺。
比較的麺が太麺で、麺の味があり、つけ汁は濃いめで、口が染みることもあるのですが、つける量を調節するとあまり染みることもなくおいしく食べられます。
口内炎が落ち着いた頃の週末は機会を見つけてはつけ麺やラーメンを食べにでかけ、近所はほぼ食べ尽くしたと思います。ちなみに一番おいしく感じるのは、今まで手を出さなかった鶏白湯つけ麺。

そんな感じで、おいしそうな物をおいしく食べられないのはけっこうなストレスなのです。
口内炎の出現もあって、食べられない日が多くなり、2,3kg体重が簡単に落ちてしまいます。なんとか体重を維持しようと食べられるものを食べられるときに食べているつもりなのですが、なかなかです。

もし、私を食事に誘ってくれるときは、おしゃれなカフェでなく、いろんなものがあるファミレスや居酒屋かラーメン屋に誘っていただけるとありがたいです。
お誘いお待ちしています!

つづく

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