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2023.09.13

がん発覚から1年~化学療法24クール・多くの人に支えられ過ごした1年~

忘れもしません、2021年10月5日。
肩の変な痛みから受診し検査を経て、10月8日に直腸癌と診断され治療を開始しました。
この日から日常生活が一変し、気持ちの整理も付かないまま闘病生活が始まりました。

大腸癌ステージ4の生存率は3年生存率が18%、5年生存率が10.3%。最初2-3ヶ月は、「数ヶ月先には亡くなってしまうのではないか」「あと何年生きられるのか?」「亡くなる前に出来ることは何か?」など、先が見えず混乱と不安だらけの毎日でした。ただ、がんになってしまったことは運命として受け入れ、残りいくらかわからない余命ですが、できるだけ前向きに生き抜こうと思いました。

何か自分ができることがないかと、当院のHPにブログの掲載をお願いし、個人的には知人・友人にSNSで公表を始めたのですが、本当に多くの人から励ましのメッセージや贈り物、お守りをいただきました。たくさんの支援、反響に驚くと共に、力をいただきました。メッセージやかけていただく言葉は、副作用などで「つらいな」と思うなかでも「自分は1人じゃない」「応援してくれる誰かがいる」と思え、頑張ろうという力が湧いてきます。

生活は一変し、出来ないことが増え、子どもの送迎や自分の通院など奥さんにはたくさん負担が増えましたが、イヤな顔ひとつせず献身的に支えてもらい、家族や友人の協力もあって、なんとか今までの生活を維持できたと思います。本当に感謝しかありません。
がんと分かって、大変なことが多いですが、あたりまえの日常のありがたさや人の温かみ、支えてくれる人がいる心強さなどを今まで以上に濃く強く感じさせられた1年でした。

この一年で「生と死」について、いろいろと考えさせられました。人はいつか亡くなります。それは、もしかすると事故に遭って明日亡くなってしまうかも知れないし、何十年後かもしれず、誰も分かりません。自分も1年後、3年後、もっと長く?それはわかりません。
それだけに一日一日を大切に感謝して生きていかなければならないと強く感じます。
与えられた命、治療によって延ばしていただいた命をしっかり全うして生きていきたいと思います。
これからもご支援よろしくお願いします!

つづく

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