診療科・部門 / 各種部門

トップページ > 診療科・部門 > 各種部門 > 臨床検査部 > 病理検査

病理検査室

病理検査室では、体の様々な部位から採取した組織や細胞を標本にして、観察しやすいように染色を行い、悪性を含めた病変が無いか、また病変がある場合には、その病変がどの程度進行しているかなどの診断を行います。当院の病理検査室の業務には大きく分けて、病理組織検査・細胞診検査・病理解剖があります。

病理組織検査

手術や内視鏡などで採取された組織に1~数日をかけて様々な薬品処理を行い、最終的にパラフィンでブロック状に固めます。そのブロックを専用の装置で3~4μmの厚さに薄く切ってスライドガラスに貼り付け、染色をして半永久的に保存できる標本にします。
製作された標本は病理医が顕微鏡で観察して、良性・悪性の診断や病変の進行度を判断し、臨床医に的確な情報を提供します。

薬品処理してパラフィンで固めた組織
専用の装置で薄く切ります
4μmの薄さです
スライドガラスに載せて染色し標本が完成しました
正常な胃の粘膜標本(HE・ビクトリアブルー重染色)
胃癌の粘膜標本(HE・ビクトリアブルー重染色)

術中迅速検査

術中に目的の病変部が確実に摘出できているか、転移がないかを確認するために行う検査です。

病理組織検査と同様に標本を製作しますが、迅速に標本を製作するために、提出された組織は瞬間凍結して標本製作し、病理医が診断を行います。
組織の提出から結果の報告までに要する時間は、約30分程度です。

薬品で冷凍した組織を技士が切って標本を製作します

細胞診検査

病理組織検査をするにはある程度の大きさの組織が必要ですが、細胞診検査では喀痰や尿・婦人科材料などのような剥がれ落ちてきた細胞や、乳腺や甲状腺の腫瘍などを、細い針で刺して採取した細胞を集めて標本を製作し、一つ一つの細胞の形態を観察して病変の有無を調べます。
病理組織検査と比べて患者さんの痛みが少ないので、よく検診などで行う検査ですが、悪性腫瘍の進行具合の基準に用いられることもあります。
製作した標本に異常な細胞が認められないか細胞検査士が観察を行い、異常な細胞や疑わしい細胞を認めた場合、最終判定は病理医が行います。

婦人科検診の染色標本
正常な扁平上皮細胞
後の病理組織検査で上皮内癌と診断された異常な上皮の集団

病理解剖

亡くなられた原因や的確な治療を行えていたかなどを、後の診断や医療技術の向上に反映させるために、患者さんの御遺志やご遺族の了承をいただいた場合に限り、病理解剖を行っています。病理解剖で採取させていただいた組織は病理組織標本を製作し、解剖時の所見とあわせて定期的に臨床-病理検討会(CPC:Clinico-Pathological Conference)を行っています。

診療科・部門一覧に戻る