地域包括ケア病棟とは
病院内で、患者さんが入院されるお部屋のあるフロアや建物のことを「病棟」といいます。「病棟」は、患者さんの状態や治療の内容によってその機能が分かれています。「地域包括ケア病棟」は、急性期治療を終了し、すぐに在宅や施設へ移行するには不安のある患者さんや在宅・施設療養中から緊急入院をされた患者さんに対して、在宅復帰に向けて診療、看護、リハビリを行なうことを目的とした病床を持つ病棟を指します。
川崎病院ではほとんどの病棟が治療をメインに行う「急性期病棟」ですが、一部の病棟を「地域包括ケア病棟」として運用しています。
地域包括ケア病棟の役割
地域包括ケア病棟は、3つの役割をもっています。
- 急性期の治療が終了し、ご自宅や施設などに退院される患者さんの受け入れ
- 在宅や施設などで療養を行っている患者さんで、治療が必要になった場合の受け入れ
- 上記理由で入院をされた場合の、退院に向けた支援
退院後も住み慣れた場所でお過ごしいただくために
退院後も住み慣れたご自宅や施設などで暮らすことができるよう、入院してからできる限り早く退院の準備を進めることで、より多くの支援を提案することができます。治療と合わせて、リハビリテーションや福祉制度に基づく公的サービスの調整などを行い、退院に向けた準備をします。
これらの退院に向けた準備は、退院支援を専門とする医療ソーシャルワーカーが中心となり、主治医、看護師、リハビリスタッフなど多職種が連携して、患者さんごとに作成する在宅復帰に向けた計画に基づき、支援を行っていきます。患者さんによって必要な計画を作成するため、リハビリテーションや在宅療養の準備などを実施しない場合もありますので、ご了承ください。
また、患者さんの治療経過や状態、退院先などにより、急性期病棟から地域包括ケア病棟へ移動していただくこともあります。
地域包括ケア病棟の入院期間
地域包括ケア病棟の入院期間は原則として60日以内(制度上の期限)です。
状態が安定し退院の準備が整った時点でご自宅や施設などにご退院いただきますが、いずれも主治医の判断にて退院時期が決まります。
入院費用について
地域包括ケア病棟は、「地域包括ケア病棟入院料」という入院費を算定します。
「地域包括ケア病棟入院料」には、入院基本料・検査料・リハビリテーション料・投薬料・注射料・処置料・画像診断料など入院にかかる必要な費用のほとんどが含まれています。ただし、食事代や個室利用料など一部費用が別途発生します。
なお、高額療養費制度により、お支払いいただく医療費は月ごとに上限が定められていますので、お支払いについてご説明が必要な場合は、職員までお気軽にお問い合わせください。