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胃癌とは

症状と原因

胃癌は、胃の内側を覆う粘膜に発生する悪性の腫瘍です。初期段階では症状が現れにくいのが特徴で、進行とともに食欲不振や体重減少、黒色便などの症状が現れることがあります。

胃癌の原因として一般的なのは、ピロリ菌という細菌の感染です。ピロリ菌は胃の中に長期間存在して、慢性的な炎症などを引き起こして、やがてがんに進行することがあります。その他には、喫煙や過度のアルコール摂取、塩分の高い食事や加工肉の摂取などがあります。

胃癌はピロリ菌の除菌や、バランスが取れ、減塩を心がけた食生活や、適度な運動、禁煙などが重要です。定期的に健康診断を受診し、早期発見に繋げることもとても重要です。

診断

主な診断方法は内視鏡検査です。内視鏡を使って胃の内部を観察し、異常を疑う場合には組織を一部採取し、病理検査を行います。

治療方針の決定と治療方法について

治療方針の決定

胃癌の治療は日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」に準じて、癌の進み具合を示すステージ(病期)や患者さんの状態を評価して行います。
胃癌のステージは以下の3つの要素を組み合わせて決定します。

  1. 深達度:胃癌が胃壁のどこまで深く広がっているか
  2. リンパ節転移:胃の近くにあるリンパ節への転移の有無
  3. 遠隔転移:他の臓器や、遠くのリンパ節への転移の有無

治療について

内視鏡的治療および手術治療

早期胃癌に対しては内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、胃局所切除術、縮小した胃切除術(大網温存やリンパ節郭清を縮小した胃切除術)を、また進行胃癌に対してはD2リンパ節郭清を伴う胃切除術を標準としています。低侵襲手術としての腹腔鏡下手術を積極的に行っています。一方、高度進行胃癌や切除不能例に対してはバイパス手術や内視鏡下胃瘻造設術(PEG)を施行し抗癌剤を併用した集学的治療を実施しています。

化学療法

当院外科では胃癌治療ガイドラインを遵守した薬剤選択を行い積極的に化学療法に取り組み、症状の改善や予後の延長を目指しています。高度の他臓器浸潤のために切除不能な場合や肝転移、腹膜播種がある場合、あるいは再発した場合は化学療法が第1選択となります。化学療法後に腫瘍の縮小が得られれば、再度評価を行い、胃切除の可能性について再検討することもあります(conversion surgery)。また、切除可能な胃癌に対して胃切除を行った場合でも、Stage II-IIIのような再発リスクの高い症例に対して、術後補助化学療法を6ヵ月~1年行います。腫瘍が大きい場合や、リンパ節転移が高度な場合は、術前化学療法を行った後に胃切除を行う場合もあります。

治療実績

川崎病院外科 手術件数

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